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2022/07/29 - インフォメーション (記事ID:32)
Dr.みやちの人生に効く処方箋 (22) 生きてきた痕跡が残る場所で暮らすことの大切さ
訪問診療で患者さんの自宅を訪れる際に、診察以外にもかなり気を配っているところがあります。
それは、患者さんがどのような生活を今までしてきたかということです。
庭で育てられている草花やご飯を求めてやってくる猫ちゃん。玄関に飾られている絵画や海外で買ってきたお土産たち。
リビングには、子供たちが残した名作品やトロフィーや高級なウィスキーの瓶など。お部屋に入れば、ずらりと並んだ本棚にお気に入りの湯呑。
医療や介護において、人と人との関係は大切ですが、同じくらい人と空間との関係も大切です。
人生の最期を自宅で過ごしたい方は7割とも言われています。(実際に最後まで自宅で過ごせるのは2割に満たない)
またコロナ禍で病院から自宅に帰りたいという方もたくさんいらっしゃいます。
自宅にいる安心感や居心地の良さは、そこにあなたが生きてきた痕跡があり、周囲の人がその生きた履歴を共有しているからです。
様々な理由により自宅で暮らすことが難しくなることもあるでしょう。
少しでも長く住み慣れた場所で暮らせるよう、自分の健康は、自分たちで守らなければなりません。
そしてそのような文化を地域全体で作っていく必要があるのです。